秦皮

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 夏休み―――。 毎年、お盆の時期になり、暇を持て余している僕は、父方の祖父母の家へ何日間か訪ねるという計画を考えた。 あとから、お父さんとお母さんも車で来るんだけど、一人きりで鉄道とバスを乗り継いでの大旅行を楽しむために、お父さんにお願いして「いいよ」って言ってもらって、でかけている。

 自分で時刻表を調べて、普段は持ち歩くことのない一万円札を持ち、切符をみどりの窓口で買って電車と汽車に乗る。祖父母の家への最寄り駅には電車は通っていない。街中ではもう乗ることができないディーゼルカーだ。 途中、乗り換え駅の乗り場を間違えそうになったり、車掌さんの検札にドキドキしたり、同乗したおじさん、おばさんに、「どこへ行くの?」とか「いくつ?」ときかれたりして、「おじいちゃんおばあちゃんの家です」、「十歳です」と答えて、「ちいさいのにえらいね」と意味のわからないことを言われたけど、お菓子をもらえたのでうれしかったりした。

 目的の駅に付き、駅前のバス乗り場でバスを待つ。時刻表には一日に八本だけ時刻が書き込まれている。僕はあらかじめバスの待ち時間が短くてすむ汽車に乗ったので、それほど待たずにバスに乗ることができた。 駅前はコンビニもなく、数件のお店が並んでいるだけののどかな風景だけど、バスに乗っていると、どんどん田んぼと畑が目の前に広がってくる。きれいな川も流れていて、あとで泳ぎたいなと思った。

 バスを降りると、蝉がワンワンと鳴り響くあぜ道。そのなかを進むと見えてくる祖父母の家。 祖父母が作っている農作物が広がる庭を横目に敷石が整然と並んでいる軒先を通り過ぎて玄関に入ると、夏の強い日差しが遮られ、家の中を風が吹き抜けている。僕が住んでいるようなビルが建ち並ぶ街中とは違い、空気がサラッとしている。気持ちいいな。

「こんにちはー」 声をあげると、しばらくして廊下の奥からバタバタと大きい足音が聞こえたかと思うと、スライディングをする勢いで玄関先へと滑り込んでくる人影。「待っとたで! 倫明《みちあき》!」「優《すぐる》兄ちゃん!」 なぜ優兄ちゃんが!? と驚いた。いるなんて聞いてなかったから。「なんで優兄ちゃんがいるの!?」「俺、昨日からおるんや。倫明には言わんといてってお願いしとったんや。ビックリさせよう思うて!」「びっくりした!」 優お兄ちゃんは、お父さんのお兄さんの子どもで僕とは従兄弟になる。僕とは二つ違いの中学一年生。「久しぶりやなー」「うん。去年のお正月ぶり?」「おじいちゃんおばあちゃん、中で待っとるから行こ」「うん!」 廊下を抜けて、縁側の部屋へ行くと、おじいちゃんがテレビを見ていた。「こんにちは!」「いらっしゃい。みっちゃん」 微笑んで優しく迎えてくれるおじちゃん。年のわりにはしわのない顔に短めの白髪。白のポロシャツにスラックスという格好も「